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「故郷巡礼」【天空の楼閣】

2016-11-06

すばらしい神社をご紹介します。

大洲市にあります、「少彦名神社」(すくなひこなじんじゃ)です。

医薬や温泉の神さんとの事。

こちらに「参籠殿」(さんろうでん)という社殿があります。

それがものすごい建物なのです。

 

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小さな神社ですが山にありますのでこれから結構昇ります。

 

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社殿の正面ですが、こちらからだと普通に見えますね。

 

そして

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横から見ますと、山に突き出して建っています。

 

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いかがでしょうか。息を飲む衝撃があります。

 

これを見ますと京都の清水寺を思い出すのが多いかと思います。

規模は違えど同じ「懸け造り」(かけつくり)という技法で建てられています。

そして全国にも懸け造りの建物が複数あるそうです。興味深いですよね。

たくさん見える柱の数本は山の斜面下から屋根の下まで一本の通し柱なのだそうで

丸太の部分と、建物部分の柱は大工さんの技術にて加工されているそうです。

 

こんな長い柱は工場や機械の中にも入りませんよね。

大工さんの手加工ですが、こうした技術が失われつつあるというのも寂しくなるところです。

仏閣建築を手がける技術職はどんどんと少なくなってきているのかもしれません。

やっぱり好きでないと、できないお仕事だと思います。

 

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建築当時の材料も保存されており、仕口の加工を見ることができました。

 

1934年~現在までということで、82年前のものになりますね。

こちらの参籠殿ですが以前は山の木々に埋もれてしまい

朽ち果てかけていて、屋根や床の一部が落ちかけている状態であったのを

米ワールド・モニュメント財団(WMF)の働きにより (文化遺産の修復や助成をする組織との事)

大規模な修復が行われ、このように蘇ったそうです。

修復工事をしたのは地元の大工さんや、その他の諸々の方々のようです。

よく見ますと、古い部分と新しい部分がよくわかります。

 

文化遺産保全という活動や組織があることすら知らなかったので驚きの方が大きいです。

現地には、朽ち果てている頃の写真をみることができました。

本当に屋根がでろんと落ちかけていて、この修復には大変な苦労があったというのが伝わります。

 

現在の住宅建築のように、材料をほぼ工場で機械加工して建てている工法と

こうした仏閣建築は分野が違うとも言え、しかしながらさまざまな技法や工法を

自分の目で見て触ることもできるというのはとても新鮮です。ドキドキワクワク。

どなんなっとんやろなぁと、あちこち見てしまいます。

 

見方は色々ですが関心がないと

よく伝わりにくいというのもあろうかと思います。

私は仕事柄、建築系ですのでこうした建物を見るのは楽しく

このブログを通してご紹介している各所はどれも建築物が関係しています。

 

こちらの参籠殿、今年の9月1日に

ユネスコアジア太平洋文化遺産保全賞の2016年最優秀賞を受賞したそうです。

今後の活動にも期待が大きくなりますね。

    

                                        橋口

 

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